一部の研究生プログラムのシラバスを公開しています。
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ドラムソロや発展的ドラミングに必要な基本フレーズの展開方法を考察します。この講義ではインプロビゼーションの基礎として最も必要とされる16分音符、3連符のタイミング・モジュレーションセオリーを中心にレッスンを展開します。コンガ、ティンバレスのソロワークにも応用可能な理論です。
【目標】モジュレーション・コンセプトの理解
ドラミングにおける感情表現(エモーション)の方法論を考察します。タイムの変化(リタルダンド、アッチェルランド)や置き方(アヘッド、ジャスト、ビハインド)は感情表現の重要な要素であり、広義でのインプロビゼーションです。この講義ではエモーショナルなタイム感覚の考察とその表現方法を解説していきたいと思います。
【目標】タイム感と演奏上の表現力向上
前半はジャズドラミングのストローク強化に必要なワイヤーブラシにおける基本テクニックと練習方法を解説します。後半はレパートリーとして必要なジャズチューンを中心に、実践的なレッスンを展開します。最終日は試験を行います。必修科目です。
【目標】ブラシを使ったストロークトレーニングと基本的なスイングパターンの形成
前半はジャズドラミングの基本であるシンバルレガートのコンセプトを学びます。後半はシンコペーションブックを使用したクリエイティブトレーニング、レパートリーとして必要なジャズチューンを中心に、実践的なレッスンを展開します。最終日は試験をおこないます。
【目標】ジャズドラミングとスイングフィールを理解する
ラテンアメリカ諸国の音楽文化に影響を与えたアフリカンアンサンブルと、ブラジル、キューバのラテン・アンサンブルを主な題材として扱います。本講座では各スタイルの代表的なリズムパターンを用いて、実際にパーカッションのアンサンブルを体験しながら、楽器の演奏法をレクチャーします。講座内で取り扱うジャンルについては、近年のポピュラー音楽の中でよく応用されるものに絞り、選定しています。
【目標】各アンサンブルの様式と基本的奏法を把握する
世界中にある打楽器を駆使して演奏されるマルチ・パーカッション。ルール無用の演奏スタイルにも見える反面、軽く見られがちな側面もあり。歴史とジャンルにおける奏法を理解し、先駆者達に敬意を持ちつつ、オリジナルティー溢れる思考、考え方をレクチャーして行きます。良い演奏とは何なのか、考える力、思考力を高めるきっかけとし、自分の中のフィロソフィーを考えよう。
【目標】ポピュラー・マルチ・パーカショニストの思考を考えて身に付ける
ドラムレコーディング、個人的にやろう!と思っても中々ハードルが高いですよね。必要なものも沢山あります。マイク以外に必要なもの、何かわかりますか?本研プロではレコーディングへの理解を深め、音を録る(録られる)ことに慣れることを目的としています。楽しく創造的なレコーディングへの第一歩を踏み出しましょう。
【目標】レコーディングへの知見を得る、音を録る(録られる)ことに慣れる
ハンドワークについてはどのテキストでも多様なトレーニング方法が紹介されていますが、フットワーク中心のトレーニングを紹介しているものは意外と少ないです。しかし、ドラムセット全体におけるフットワークの役割は大きく、安定したプレイができるかはハンドワークよりもむしろフットワークにかかっているとも言えます。フットワークに不安がある方はこの機会に解消していきましょう。
【目標】フットワークに対する不安を解消する!
オーケストラ・吹奏楽・劇伴などで扱うクラシック系打楽器の演奏法について解説します。純粋なクラシックの現場以外にも、ミュージカル演奏や映画・アニメ・ゲームBGMのスタジオRecなど必要とされる場面は多く、対応できることで仕事の可能性が広がることも十分に考えられます。本プログラムでは基本的な奏法のレクチャーからオーケストラ・スタディ(オケスタ)と呼ばれる定番の課題曲の実践までを通して、主要な楽器を扱えるようになることを目指します。
【目標】主要なクラシック・パーカッションの奏法理解と習得
ミュージカルのような現場では、クラシック、ジャズ、ポップス、ラテンと、多岐にわたるジャンルを演奏する能力が求められます。譜面が読めたらOKではなく、各ジャンル特有のフィールを理解し、アンサンブルをまとめる力も必要です。
本プログラムでは、前提としての読譜スキル、そして実践的な演奏スキルの習得を目指します。
【目標】職業ミュージシャンに必要な実践的スキルを身に付ける
打楽器インストラクション(インストラクター)について様々な角度から考察します。レッスン現場で必要な概念、心構え、基本的なノウハウをレクチャーします。
【目標】インストラクションの基本を身につけ、自分なりのインストラクションのイメージを持つ。インストラクションの楽しさや魅力を感じてみる。
軍楽、鼓笛隊におけるドラム基礎としてよく知られているルーディメンツは手の練習パターンではありません。メロディーをスティッキングに置き換えているのです。その源流はスコットランド、アイルランド民謡にあり、ケルト文化の代表的なリズムであるジグやリールとも関連しています(繰り返しの文化)。ここではジャズの起源をヨーロッパに求めると共に、メロディーをインプロバイズする方法論の原点をファイフ(笛とメロディー)&ドラム(スティッキング)から探っていきます。
【目標】ヨーロッパ起源のリズムとメロディーの関係を理解する
ストロークセオリーの原点であり、近年再評価されている「モーラーテクニック」を2ヶ月間で研究し発表します。研究資料を収集する能力の開発と研究発表を中心とする演習であり、自主研究のスタンスで進行します。合わせて英語能力とコンピュータースキルの向上も目的とし、グループでの共同作業も演習に含まれます。
【目標】研究活動のプロセス理解、プレゼンテーションの能力開発
ドラミングに必要な原初的モーションの再構築と、そこに生じるストロークセオリーの解説を行います。一般には解説されていない、独自のアドバンス・ストローク理論(体幹を意識した回転軸の形成、ノン・アクセラレーション・コンセプト=スティックを加速させないストローク方法)および打楽器における高度なタッチの習得と表現力の向上を目指します。
【目標】オリジナルのストロークセオリーの理解と習得
演奏の現場ではじっくり練習する時間もなく、瞬発的に譜面を読まなければならない場面も多々あります。本プログラムではその準備段階として、基礎的なリズム読譜能力を身に付ける為のトレーニングを行います。譜面を読む際のポイント、拍子の解釈等も合わせてレクチャーしていきます。
【目標】音符の長さの理解、様々な拍子での基礎読譜能力を身につける。
楽譜には音符・休符だけでなく、速さ・強弱その他音楽的な表現に関する記号や楽語も記されていることがあります。また、ドラムやパーカッションでは複数の楽器が一段に記譜されており、トータルで相当な情報量となります。初見リーディングⅡではそれらの情報を瞬時に理解した上で、音楽を「立体的」に表現する能力を高めていきます。
【目標】譜面に記されているあらゆる指示を理解しクリアする
複数楽器のアンサンブルを一人に集約したラテン・ドラミング、ラテン・パーカッションをプレイするための基礎作りを行います。まずは自身の中で4ウェイ滞りなく成り立たせることを第一目標とし、最終的には自由は四肢コントロールをもとにアンサンブルを心地よく成立させるドラミングを目指します。
【目標】インディペンデンス能力の強化
ドラマー、パーカショニストにとってポリリズムの概念は必要不可欠な要素です。ポリリズムの概念把握とトレーニングシステムを考察しながら演習を進めていきます。高度な演習となりますので十分な予習、復習が必要です。
【目標】ポリリズムのセオリー把握とインディペンデンスの強化
ドラムセットの基本構造や特徴、基本的なチューニング方法を理解した上で、目的別のサウンド作りにトライします。
【目標】少しでもイメージに近付けた音作りができるようになること
ポップスとロックの歴史を考察しながらポップリズムで使用するドラムセットとパーカッションの基本パターンを確認します。概論となるリズムの基本知識は、指定の映像資料を事前に視聴し、各自で確認してください。
このジャンルは職業ドラマーの教養として必須で、背景(微妙な味付け)を理解していないと対応が吹奏楽的な「8ビート=音符演奏」になります。例としてロックンロールは少し「ハネ」るフィーリングを持っています。
【目標】ロックとポップリズムの源流を知る
ジャズの歴史を考察しながらドラムセットとパーカッションの基本パターンを確認します。概論となるリズムの基本知識は、指定の映像資料を事前に視聴し、各自で確認してください。
このジャンルは職業ドラマーの教養として必須です。ドラムセットのリズムは「ハネ=スイング」するフィーリングが根本にあり、それを抑制したポストアプローチが「ストレートフィール」つまり「意図的にハネない」やり方で、ロックにつながる流れです。
【目標】ジャズ初期におけるリズムの源流を知る
特定のドラマー、パーカショニストを研究します(ジャンルではなく人物を対象とします)。発表するまでのプロセスとスキルを理解し、研究資料を期間内に収集します。本講座は9月末または来年3月末までを区切りとする研究レポート単位の予備段階として、テーマ設定と資料検討をおこないます。
【目標】ミュージシャンの研究の方法論と資料の検討まで
特定の音楽分野を研究・発表するためのプロセスを理解し、必要となる基本スキルを学習することが目標です。インターネットにおける資料収集からアカデミック・ライティングまで「発表する、伝える」ということの楽しさを知ると同時に、最終的に提出する研究レポート(分析研究Ⅱの単位)のガイダンスとして各自の研究テーマ設定と検討をおこないます。また期間内に簡易な演習としてのレポート作成を行います。
【目標】研究論文作成の初歩を理解する。
研究・執筆・発表のプロセスを理解し、テーマを検討するための演習です。各半期(3、9月末)を区切りとする研究レポート(分析研究Ⅱの単位レポート)の進捗状況へのアドバイスをおこないます。各自の研究テーマ(専門領域の方向性)のカウンセリングもおこないます。
【目標】自己の力で研究対象を決定し執筆する(優柔不断に進歩なし)
ドラマーに必要な実践ポピュラー音楽用語を再確認します。「仕事」としての演奏を行う場合、一般の楽典知識だけでは不十分。ポピュラー音楽ではクラシックの楽典とはまったく別となる独自の用語がしばしば登場するからです。特に譜面上の用語は現場レベルで重要なキーワードとなります。もちろん「音符が読める」というソルフェージュ能力も大切ですが、演奏解釈をより深くし、音楽のイマジネーションをより高めるためには「言葉=音楽用語」の理解が必要です。
【目標】演奏解釈と楽曲分析、初見能力の向上
キーワードとして以下の用語を解説しながら、ミュージックビジネスとは何かを考えます。
スケジュール、ギャランティー、ツアー、リハーサル、ゲネプロ、マネージメント、レコーディング、スタジオワーク、インストラクション、ライター、持ち込み料、アゴアシ、音楽出版、出演契約、著作権、原盤権、印税、その他関連する業界用語
【目標】ミュージックビジネスの基本を理解する
プロフェッショナル・ミュージシャンとは個人で事業をおこなっている「独立事業主」のこと。つまり商店経営と同じです。まず経営者として自分を認識することが大切です。このプログラムでは事業経営に必要な基礎知識、用語定義、開業と運営方法、および税務と財務管理の基本を確認します。フリーランスのミュージシャンには不可欠な講座です。
【目標】音楽家として事業経営の基本を理解する
日本人は欧米文化と違った感性を持ち合わせています。たとえば「す」という言葉があります。これはモノとモノの間を表す概念です。「簾=すだれ」というものがありますが、「す」が垂れているわけで「す・たれ」です。つまり編み込んである竹のような棒が「すだれ」ではなく、その隙間としての空間を見せることが簾の本質です。何もない空間が機能しているのです。もう一つの例として光と闇(昼と夜)があります。古来日本人は「夜=闇」を基本としてきました。そのため神社の重要な祭祀は真夜中におこなわれます。昼は夜を意識させるために存在するもので、宇宙の基本は「暗闇」と考えられます。これを音楽の世界に置き換えてみたらどうでしょう。音は静寂をあらわすために存在しているわけです。この講義では近年注目されている「古武道」のからだの動きを含め、日本人の持つ感性を探ることにより、新たな演奏法や表現について考えるきっかけを提示できればと思っています。
【目標】日本の伝統文化について理解を深める
『音楽の仕事は自分をプレゼンするとこから始まる』 音楽家に不可欠なビジネスツールであり、プレゼンテーションに必要なプロフィールとキャリアシート(音楽経歴)を作成します。これらは実際にオフィシャルツールとして使用することを目的としています。コンピュータのワードプロセッサーを使用してテキストを構成し、データでの提出を必須とします。作成したものはリズケンの広報、外部オーディション等にミュージシャンを紹介する場合にも使用します。
【目標】自己プロフィール、キャリアシートの完成