メキシコの音楽
メキシコ大衆音楽で有名なのはマリアッチだろう。マチアッチは、低音部をコントラバスではなくギタロンという大型のギターが担当する。これにギター、トランペットなどの少数で行う音楽である。マリアッチを伴奏に歌うのがカンシオン・ランチェーラ。
発祥の地はハリスコ州トラケパケで、メキシコ中部地方の伝統音楽ソンジャロコが元になっているといわれている。この野外音楽を国民音楽まで高めたのはマリアッチ演奏家よりランチェーラである。40年代から70年代まで実に多様なランチェーラが輩出した。ペドロ・インファンテやホセ・アルフレッド・ヒメネスなど。
メキシコの9月は紅と白と緑の三色旗に染め抜かれ、15日の独立記念日に向け民主主義が高揚。そして同じようにランシェーラもあふれ出す。これによってマリアッチ、ランチェーラはメキシコ国民歌謡としての位置は不動であることが分かる。グルペーラと総称されるジャンルがある。
この中に直訳すると「北の」となるノルテーニョというものがある。米国国境州に起源をを持ち、アコーディオンが主要伴奏。これにギター、ベース、ドラム、キーボードなどが入ることも。歌の多くはチカーノ達の事件や、麻薬密売、米国との経済格差である。
このノルテーニョとほぼ同じで、歌詞に社会性が薄く男女のことを歌っているのがグルペーラ。
メキシコでもサルサやメレンゲ、レゲエなどのトロピカルミュージックもある。その中で、クンビアが一番豊富だが、コロンビアやパナマとはまるで味わいが違う。ペルーでも使わないようなアンデスインディオ系の楽器、ケーナやサンポーニャといった楽器を取り入れている。
メキシカンポップスでは地理的にも隣接しているテキサスとの関わりが大きい。1960年代にテックスメックスというアメリカの音楽とメキシコの音楽を融合した音楽が話題を呼んだ。そして、メキシコ移民の間でテハーノと呼ばれるメキシカンポップを元とした音楽が流行し、これが一時期世界でも人気になった。 |