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2004/11月号

(テキスト:呉 成徹)

<新企画>

 リズケン講師陣の中では、実は若手の部類に入る呉成徹氏による「それいけ!ドラム談義」です!普段から呉先生の会話センスは、そのオットリとした風貌からは想像もつかないほどに、時として鋭く、聴く者を遙か彼方に誘ってくれます(^^;)。さぁ、アナタも呉先生ワールドに飛び込んでみてください!

 ラテンパーカッションといえば、暖かい夏のイメージが強い楽器だと思います。その暑かった夏も終わり、芸術の秋がやって来ましたね。

 今回はそんな芸術の秋にピッタリな楽器を紹介します。

 その楽器はSE系(サウンド・エフェクト)パーカッション! コンガやボンゴなどのリズム楽器ではなく、自然の音などで、曲の雰囲気などを盛り上げる隠し味的な楽器です。


研究生 永岡英明さん
 まずエフェクト系の楽器には大きく3種類に分かれると思います。

1、自然現象の音
2、生き物が発する音
3、日常生活における音

 これらの音にはどの様な物があるか考えて見ましょう。

1、自然現象の音では、雨の音、風の音、雷の音、川のせせらぎ、波の音、etc…
2、生き物では、鳥の声、虫の鳴き声、馬のひずめの音etc…
3、日常の音では、車の走る音、クラクション、ベル、玄関のチャイム、風鈴etc…


 このような音たちを、パーカッションで表現するには、市販されている楽器はもちろん、自分で作ったり、はたまた本物の道具をそのまま使用したりします。

 市販されている物。

雨の音、川のせせらぎ「レインスティク」
鳥の声、虫の鳴き声など、「鳥笛」「虫笛」
風の音、「ウインドホイッスル」
チャイム、「ウインドチャイム」などなど・・・

 自作して作るもの。

波の音 「ざるに米や小豆を入れて動かす。」
風の音 「チューブをブンブン振り回して音をだす」など、音が出れば何でも良いと思います。

 そのままの道具を使う。

「風鈴」「自転車のベル」など、お土産屋さんで売ってる、音の出る民芸品。


 このように、自作なども含めるとエフェクト楽器としては無数に種類があるといえ、1つの楽器を演奏するというより色々なエフェクト楽器を使いこなすという事になるのではないでしょうか。
 しかしその様な色々な楽器を使うのには、演奏時に注意が必要であると思います。 実際に使用例として例を挙げてみます。

 ある演奏例

 森を連想させる曲にエフェクトパーカッションを入れるとしたら・・・

「さわやかな風が吹き(ウインドホイッスル)木々が揺れて(アンクルビーズ)川のせせらぎ(レインスティック)と鳥達の鳴き声(鳥笛)」

 ちょっと臭い詩になってますが(笑)このように情景に合わせて楽器を使用するのが理想ですが、楽器の都合上次のようになってしまう事も・・・

 「さわやかな風が吹いてる所に、雷や波、車のクラクションや、ピンポーンとチャイムがなる・・・」

 実際音にしてみると、あまり違和感がないように聞こえますが、言葉にすれば無茶苦茶なシチュエーションになっていますね。
 今まで、私自身もあまり考えずにそこにある楽器をかき鳴らしているだけでしたが、改めて考えると、とても大事なことに気が付きました。
 このように情景を想像し、音にするという事もパーカッショニストには必要です。

 これだけの楽器たちをそろえるのは大変だと思いますが、日常転がっているものを叩いたり、振ってみたりしてみると色々な音が出ます。自分だけのパーカッションを探してみてください。間違っても車など叩かないように…

 せっかくの芸術の秋、色々な自然のある場所に出かけてみて、テレビ等では味わえない自然の音や情景を肌で感じて見るのも良いと思います。
 目を瞑って耳を研ぎ澄ますと…そこにはあなただけのパーカッションサウンドが聞こえてきます。 

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