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2004年3月号

(テキスト:石川 武)

村上ポンタ秀一

IT'S A POPPIN' TIME(山下達郎)全曲
(JONI MITCHELL SHADOWS AND LIGHTより)

 なぜ全曲なのか? それはにおいの問題だからです。コンサート全体に香るポンタ氏のリズムの香り、ニュアンス、色気、であるからです。聞いて頂けば一瞬にして理解していただけると思います。

 高校時代に聞いたと思うんです、このアルバム。そのときはわからなかったんだなぁ、この感じ。なぜか普通な感じがしたんですよその当時は。きっと時代のせいですね。
 似たような感覚の物は結構ありましたから。でも格が違うような気がする、このアルバム、そしてドラムプレイ。

 今やドラムのテイスト=テクニック、リック、フレーズ、難解さ、すさまじさ、到達不可能感、、みたいなものに感じられますよね。
 もちろんこのアルバムのポンタさんにも到達不可能感はひしひしと感じます。
 でも、カラーが違う。ポンタさんのそれは、ライブ感、浮遊感、ダイナミクス、曲との一体感、本当の意味でのグルーブ感、そんなカラーなんです。

 いま、CDでもライブでも一番欠けているものがそこに存在しているような気がします。ですからあの曲のあのフレーズが・・という感想は一切出てこない。僕が夜、部屋のライトを暗くして酒を飲みながら聞ける数少ないCDの内のひとつです。

 もちろんなかでもお薦めの曲はありますよ、僕的に。SOLID SLIDER、そしてPAPER DOLLの2曲。
 これは音と音の間の空気を感じてほしい曲。というか、感じてしまう曲です。ハイハットにとりもちがついているような感覚。スティックにゴムの紐がついているような感覚。わっかるかなぁ??
 あ、そう、言い換えればスティックの先まで神経が通っているような感じ。このアルバムの後に、このような感覚になれるアルバムには出会ってないような気がします、特に国内版は・・・。

 今の自分の音楽活動に何か欠けているとお悩みの皆さん、是非このアルバムを聞きなおしてください。ひとつの答えは出てくるように思います。音楽をするためのドラムのテクニックとは何ぞや?わかっちゃうようなきがするんだなぁ、でも行き着けないんだなぁ・・・・(泣)
 いろっぺーーーーーポンタさんん!!!!!


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