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(テキスト:石川 武)


今月の偉人さん  フランク・コロン_番外編


Frank Colon

(フランク・コロン)

 特にブラジル系の楽器に精通しているパーカッショニスト。
 1951年ワシントン生まれ。11才よりピアノを始め、19才からパーカッションを始める。マンハッタン・トランスファー、ウェイン・ショーター、アイアート・モレイラ、タニア・マリア等のレコーディングに参加。また、ウェザー・リポートやパット・メセニーなどのツアーにも参加した。

フランク参加アルバム。
「Brasil」
The Manhattan Trnsfer
「JUNKANOO」
BARBARA DENNERLEIN

フランク訪問時ハプニング!?

 さて今回は前回お約束したとおり、フランク訪問時に起きたおもしろい(?)事を少々お話しましょう(まあ、たいした話でもないんですが・・・)。

 この日の訪問は、実は私だけでなく、現在私の仲間と化したまきと氏も一緒だったんです。しかもこの頃、まだまきと氏は他の事務所に属していたのです。
 この日昼頃だったかな?私の事務所にフランクから電話があり、

「今日席取れそうだけど来るかい?」

という電話からすべてが始まりました。


 「何人は入れるかな?」という質問に「二人はだいじょうぶだな」という返事。

「OK、じゃあ誰か誘っていくよ」

・・・とは言ったものの急な話しだし回りには誰もいません。

「そういえば牧人君はマントラ好きだって言っていたな、でも会社に行っているかな?」
と思いいつつ、一応電話してみることにしました。彼の当時の事務所に電話して「こういうわけなんだけど行く?」と聞くと


「うーーーーーーん、い、行きます。」


と、なにやらずいぶんもったえぶった返事です。会ってからわけを聞くと

「いや実は、今日事務所に行くのに遅刻して、電話のときはまだ会社について30分ぐらいしかたってなかったんですよ。」
「へえ、それで何ていって出てきたの?」
「すみません、遅刻したんですが早退します。」

どの道この会社での彼の社員生命は長くなかったでしょう・・・。

 こんな感じで会場に着くと今度は人の波。招待者受付に行くと、「今日は満席のため、招待者は舞台袖でご覧ください。」との事。前半のステージを下手で見ていました。
 そういえば幕が開くちょっと前に、ものすごい高音でマイクがハウリングしているような音が聞こえるので(超音波みたいな音でした)振り返ると、マントラの大きいほうの女性のウォームアップでした。(すっげー声)
 音も悪くなく(招待者用にスピーカーかなんかあったかもしれない)楽しんでみていました。するとフランクが来て

「下手じゃあ俺が見えないだろ、上手に来いよ」

と誘ってくれました。後半をそちらで見たんですが、聞こえてくるのはフランクのモニターの音。

「こんな音聞いてやってるんだ・・・」

 ちょっとびっくりしました。とにかくこもったような薄い音なんです。

「モニターって本当に人それぞれちがうんだなー」

つくづく思ったわけです。
 コンサートが終わり、フランクに連れられて楽屋へ行ったんですが、ここで最後の締めの事件が起こりました。牧人氏が

「ぼくあの小さいほうの人の大ファンなんですよ、すごく気に入ってる曲があって・・・話してこようかな。」

というので「行っておいでよ。」というといそいそと近づいていってなにやら話しています。すると程なくこちらに戻ってきます。しかもなんともいえない表情で・・・。
 「どうしたの?」と聞くと

「いや実は・・・僕あなたの大ファンで、特にあの・・・という曲は大好きなんです。って言ったんです。」
「で?」
「はあ、それが、あれは私じゃないよって・・・」

 どうやらもう一人の方のボーカルだったようです。私たちは腰が抜けるほど笑いました。


 今回はお言葉無しですが・・(しいて言えば「わたしじゃないよ」かな?)こういう現場に行くとけっこういろんな事件がおきるんですよね。これからも番外編でたまに報告しますね!


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