スティーブ・スミスといえばジャーニーのドラマー、というのは一昔前の人間のいうことみたいですね、どーも。現在はバイタル・インフォメーションや、バイタル・テック・トーンなどの自己バンドでハイパーなプレイを披露しています。バディ・リッチのメモリアル・コンサートや教則ビデオなどもおなじみな所でしょうか。
もはやジャズ、フュージョン・ドラマーとしての地位を確立しました。
今回の話は、スティーブがジャーニーをやめてステップス・アヘッドのメンバーとして来日したときの話。ドラムマガジンのインタビューでコンサート会場まで出かけていきました。
インタビューはコンサート直後、楽屋で行われました。
楽屋に入っていくと、汗だくのスティーブがタオル片手に何か飲んでいました。ワサワサとした中挨拶を済ませると、さきにフォト・セッション。僕も写真をとってもらいながら、スティーブは軽いジョークを飛ばしていました。
いろいろ片付けてぼちぼち始めようかというとき、ベーシストのダリル・ジョーンズが楽屋に入ってきました。先に着替えを終わらせていたらしく、何か探し物をしに来たようでした。スティーブが
「どうしたの?」
と聞くとダリルが
「ああ、上着をわすれちゃって・・」
といいながらロッカーを見ています。
「おかしいなあ、ないぞ・・・」
といってあたりを見回しました。その場にいたみんなもキョロキョロし始めたとき、ダリルの目がスティーブの足元にとまりました。スティーブ、そして皆がスティーブの足元を見ると、なんとスティーブの椅子の下に、椅子の足に踏まれたダリルのジャケットが。一瞬皆凍りました。
「What a fuck ・・・」
とダリルが小声でつぶやき、そのままスティーブをにらんでいます。2,3秒の沈黙の後、スティーブが
「Sorry!!」
というと膨れた顔のまま部屋を出て行きました。通訳の高橋さんが
「大丈夫?」
と心配そうに聞くと。
「大丈夫、あの顔は冗談さ、ハハハ」
と、笑っていました。
「なんだよ、あの顔が冗談ってわかるって事はずいぶん仲がいいんだな・・・」
などと考えているうちにインタビュー開始。
「今回のコンサートをプレイした感想をひとつ・・・?」
みたいな質問をすると
「僕はジャーニーに入る前、ジャズのバンドを取るか、ジャーニーをとるか選択しなきゃいけなかったんだ。」
(へぇ〜。そしてジャーニーは大成功したわけだ。)
「ロック・ドラマーって言う印象が強いかもしれないけど、本当はジャズをプレイしたかった。」
(今や押しも押されない一線ドラマーの陰には、そういうこともあったんだな...。)
「今回のメンバーはそういう僕からすると神様みたいな人たちだ。ずっと一緒にプレイしたいって夢見てた。」
(あんなに仲良しそうだし、スティーヴも楽しそうだもんな...。)
「だから本番中はもう必死って言うより夢心地、でもドキドキだったよ!」
(?????)
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