「ボカ〜ン!」はリズケンがお贈りするエンターテイメント・マガジンです。
リズケン・スタッフや外部ライターの方による傑作をお楽しみください!
リズケンサイト・トップページへ
    

(テキスト:石川 武)

今月の偉人さん  アレックス・アクーニャ


ALEX ACUNA
(アレックス・アクーニャ)

 

 ドラムとパーカッションをこなすペル出身のプレイヤー。16歳からスタジオドラマーとして国内のレコード会社やTV局に出入りしていた。ウェザー・リポート時代に関拓したスタイルをベースに、U2、ボール・マッカートニーら大勢の名ミユージシャンと共演。

アレックスのプレイを学ぼう!
「Heavy Weather
Weather Report
「LIVE AT PAS」
ALEX ACUNA
できねぇんだよ。
 初めてアレックスに会ったのは、やはりドラム・マガジンのインタビューだったかな?
 アレックスが今はなきライブ・アンダー・ザ・スカイに出演のため来日したときでした。かなり昔なのでインタビューの内容はあまり覚えていないんですが、エピソードをいくつか覚えているのでご紹介しましょう。

 まずインタビューですが目黒の都ホテルだったと思います。
 ラウンジでインタビューを取っていたんですが、なにやらアレックスは周囲をキョロキョロ、集中できないでいるようです。とにかくどうにかインタビューを終えると、即座に席を立ち周りを見回し始めました。
 するとさっきからラウンジ周辺を走り回っていた子供がアレックスに近寄ってきました。アレックスはにっこり笑って「My Son」といいました。

 子供が気になってインタビューどころではなかったようです。ほほえましいやらなにやら、とりあえずインタビューは終了しました。

 後日聞いたのですが、次の日ライブ・アンダー・・の本番間近、ヤマハ・スタッフがアレックスを呼ぼうと楽屋に行くと、そこには誰もいない。慌てて皆で探し回っていると、どこからともなくアレックスの声がします。「どこだどこだ?」と探してみると、なんとその息子達と一緒のアレックスが、ジェットコースターの上から満面の笑みで叫びながら手を振っていたそうです。

「Hey everybody!!」・・・・子供のことをとっても愛しているんですね。


 また別の日、私はアレックスと一緒のヤマハ・ビッグ・ドラマーズ・キャンプに参加しました。
 参加者が入る一日前に講師陣が合歓に集まって、明日からのことについてミーティングするんですが、そこでもアレックスらしい一面を見ることができました。
 講師のデモ演奏の打ち合わせや、スケジュール確認、クラスわけの方法など、皆一生懸命話し合っているんですが、どもアレックスの様子が変なんです。しかめっ面をして机を手のひらでとことこ叩いてる。

 会議が終わってからこそっと

「アレックスさん、なんかやり方で気に入らないことでもあります?皆に言いましょうか?」

と聞くと、さらに机をとことこ叩きながら、しかもさらに怖い顔で

「このパターン、ジョバンニに教わったんだけど、まだよく出来ねーんだ」

ですって・・・・しかしそういうときの集中力ってすごいですね、何者もよせつけませんね。そのあとも事あるごとに机や脚を叩いていました。
今月の一言

「Jobanni taught me this!But I can't do it yet.」


解釈・・・「ジョバンニがおしえてくれたんだけどさあ、できねえんだよ」
偉人さんは集中すると周りに事は考えない!

別解・・・偉人さんはこの集中力で偉業を達成する!!

Presented by RIZKEN / since 2001.03 / All rights reserved by KENMUSIC