私がチェカレリを初めて聴いたのは6〜7年前、SYLVAIN LUC(シルビアン・リュック)というギタリストの曲をバンドで演奏することになったからでした。「SUD/Sylvain Luc > Jean-Marc Jafet > Andre Ceccarelli」というアルバムの中の「AMESKERI」という5拍子のスイングで、大変美しい曲で、大変難しい曲なのです。5拍子とは思えないような自然なメロディとアドリブ、SYLVAIN LUCのギターの表現力に引き込まれてしまうのですが、ここで素晴らしいドラミングを聴かせているのがチェカレリなんです。
チェカレリのドラミングは、5拍子のこのスイングを、決して奇抜で難解なアイデア優先の楽曲として聴かせないんですね。トラディショナルで正統派で、そしてポップで...。威張らず尖らず騒がず見せつけず誇示せず、大きくて優しいドラミングです。特に、2'32"〜2'42"あたりはギターのアドリブと相まって、もう涙が出ちゃいます。
SUD/Sylvain Luc > Jean-Marc Jafet > Andre Ceccarelli
この曲を聴いてから、このドラマーは誰なんだろうとネットなどで調べたりしながら、どうやら弟や息子もドラマーであるということや、ヨーロッパではよく知られているということがわかってきました。そして、前述した彼のリーダー・アルバムを聴いて、今またさらに彼の魅力に引き込まれてます。