「ボカ〜ン!」はリズケンがお贈りするエンターテイメント・マガジンです。
リズケン・スタッフや外部ライターの方による傑作をお楽しみください!
今月のおすすめ担当 リズケン研究生・
萩原巧也
「upfront」 david sanborn
僕の心の中の名盤は1992年に発売された
david sanborn
の
upfront
です。
このアルバムを聴いたきっかけは、僕が専門学校1年の時習っていた先生に
「何かオススメのアルバムはありますか?」
と尋ねたところ、コレを聴け!と貸してくれたのがこのupfrontでした。
で、家に帰って早速聴いてみました。1曲目"snakes"が始まって、約10秒でノックアウトされました。
「カッコよすぎる・・・。」
何がそんなに格好良かったかというと、ドラム
Steve Jordanのリムショット
です。タイムといい、音色といい、とにかく絶妙で、スネアたった一発でこんなにスゴイと思ったのは初めてでした。
それからというもの、すっかりJordanファンになってしまって、いろいろ彼の参加したCDを買いあさってみました。
とにかくグルーヴがもの凄いです。
ブルースブラザーズでのR&Bフィール、24丁目バンドのファンキーなプレイ、ジャズ・フュージョン系セッションでの装飾音を駆使したテクニカルなプレイ。そして、キースリチャーズでのストレートなロックンロール。
これらを叩き分けながら、全ての状況で素晴らしいグルーヴを生み出しています。どの曲でも
ハイピッチのスネアサウンドが際だって
います。
そして、プレイはとてもシンプル。全くフィルをしない曲もあります。テクニックを全面に出すのを避けるかのようです。それについて、Jordanはドラムマガジンのインタビューでこう答えています。
「ドラムは人間の心、心臓の鼓動なんだ。だから、相手とコミュニケーションをとるためには、クリアな信号、クリアなメッセージを送らなくてはならない。それがグルーヴの要素なんだ。僕にとってのドラムはより少ないことが、より多いことなんだ。」
なるほど!!!
話をアルバムの方に戻すと、とてもファンキーな曲ばかりで、Sanbornのサックスが心に響きます。それに加えてJordanのグルーヴィーなビートやMarcusのテクニカルなベース、そしてソロまで、とにかくカッコよいです。
是非聴いてみてください。
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