「ボカ〜ン!」はリズケンがお贈りするエンターテイメント・マガジンです。
リズケン・スタッフや外部ライターの方による傑作をお楽しみください!
今月のおすすめ担当 リズケン研究員・
呉 成徹
「Into The Light」 Gloria Estefan
”リアルタイム”
突然ですが今テレビやラジオ等で流れてくる、ヒットチャートを賑わす音楽などを今現在私たちはリアルタイムで聞いているわけですが、これから10年、20年後にも聞き続けるアルバムは何枚あるでしょうか。
ある日リズケンの2Fで、ブレッカー・ブラザーズの「DETENTE」を聞いていると、Y先生がやって来て、ドラムのフレーズを寸分の狂いもなく歌っているではありませんか・・
「よく覚えてますねー」
と聞くと
「これは、俺が大学の時に良く聞いてものだ。ウムウム」
と、しかもリアルタイムで聞いていたというのです。
自分で考えた所、リアルタイムで聞いていて今でも歌えるアルバムは・・・リアルタイムで聞いた音楽で、心に残っているものは・・・ありました!それがこのグロリアエステファンの「INTO THE LIGHT」であります。
おすすめ倶楽部を書く上で、久しぶりに聞いてみると、自分が当時していた事、思っていた事など思い出してきました。ドラムも歌えてます。(笑)
ここでグロリアという人をご紹介します。
1957年9月1日、キューバのバハナ生まれ。
1959年、グロリアが1歳2ヶ月の時にキューバ革命がおこり、家族とともにマイアミに亡命しました。幼少の頃は、父親の病気により母親が働くようになり、グロリアは妹や病気の父親の面倒診ながらも、音楽の勉強をしていました。大学に進学し心理学の勉強をしてた頃に後に夫となるエミリオと出会い、マイアミ・ラテン・ボーイズに参加する事となります。
後にマイアミ・サウンド・マシーンと名を代え、7枚のスペイン語アルバムをリリースした後、初の英語アルバム「プリミティヴ・ラブ」がアメリカ国内で150万枚のリリースを記録、この頃から、名前を”グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーン”となります。
1984年の4枚目のアルバム「カッツ・ボーズ・ウェィズ」で、シンプルに”グロリア・エステファン”にグループ名をかえて次々とヒットをとばし、アメリカンドリームを実現させました。
しかし「カッツ・ボーズ・ウェィズ」のアメリカツアー中に、グロリアたちを乗せたツアーバスに大型トラックが追突し、グロリアは再起不能とも言われるほどの重症をしました。しかし血の滲むようなリハビリと驚異的な回復力で、見事復活を遂げるのであります。
その後もここで紹介する「イントゥ・ザ・ライト」やベストアルバムなどをリリースすし、1993年には、スペイン語によるカリビアン・アルバム「ミ・ティアラ」を出し、世界各国で圧倒的な支持を受ける事となります。このアルバムでグラミー賞のラテン部門の最優秀アルバム賞を獲得。その後もラテン・アルバムや、英語によるアルバムなどのリリースを精力的に発売し現在にいたっています。
そしてこのお勧めするアルバム「イントゥ・ザ・ライト」は、事故の後にでたアルバムという事で、その経験にもとずいた内容や、グロリアの前向きな姿勢が出ているアルバムであります。
内容的には全編ロック調で、ソウルフルな中にも、ラテンの香を感じさせるグロリアならではのサウンドとなっています。参加ドラマーは当時のツアードラマーのRobert Rodriguezが2曲参加、その他の曲はプログラミングによる物です。パーカッションは主にRafael Padillaが参加しています。
おすすめは、M4(NAYIB'S SONG)M11(CAN'T FORGET YOU)など。
当時、まだ自分が19歳ぐらいで、聞いていた音楽というのは、ロック全般でその他のジャンルは聞いていませんでした。それが何故このCDを買ったかは、自分でも不思議なことであります。
この作品がきっかけで彼女の大ファンになり、後に発売される「ミ・ティアラ」や「アブリエンド・プエルタス」などで、ラテンミュージックを知るきっかけとなり、パーカッションを始める事になるなど、人生の転機って言うほどの物ではないですが、今の自分がここにあるのはこのアルバムのおかげかな?と思います。
みなさんも、音楽を始めたきっかけの曲とか、ライブとかがあると思います。今でもこのアルバムを聴くたびにその時の気持ちを忘れずにいられます。心に残っているというのが大切な事だなあと思います。
みなさんもにもあるはず、心のお勧めアルバムが・・・
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